事業計画

令和7年度事業計画

「次世代に向けた えひめの創造」
~未来へ繋げる愛媛の挑戦 人が集い、育つ場所~

〈 活動の基本方針 〉

 日本経済は、緩やかな景気回復が続いているが、依然として世界的なエネルギー価格の高騰や物価高などが個人消費や企業経営に大きな影響を与えている。また、少子高齢化と人口減少の影響により人手不足が深刻化しているなど、今後の経済情勢は、米国の政権交代に伴う自国第一主義による政策変更と相まって、先行き不透明な状況にある。
 こうした状況の中で、大きな課題となるのは継続的な賃上げであり、その原資を確保して賃金と物価の持続的な好循環の実現に繋げていくためには、生産性の向上を意識した設備投資やAIの導入などのデジタル化の推進、事業モデルの再構築といった経営改革が求められている。
 こうした中、政府においては、「地方創生2.0」を政策の柱に掲げ、官民が連携した「地方イノベーション創生」により地域の持つ潜在力を最大限に引き出すとともに、GXやDXを支える「新時代のインフラ整備」を軸に新技術を徹底的に活用して一極集中を是正し多極分散型の多様な経済社会の構築を目指すこととしている。
 また、愛媛県においては、防災・減災対策、人口減少対策、地域経済の活性化の三本柱を基本に、デジタル技術の活用など新たな基軸を具体化するなど、県の未来の成長を実現していくための政策に重点的に取り組むこととしている。
 こうした環境の中、愛媛経済同友会は「想像力」「発信力」「実行力」を柱に、次世代に向けた愛媛の価値創造を担う政策提言集団として、会員間の絆をさらに深め、地域経済の振興や生活文化の発展に貢献することで、県内外からより高い評価と信頼を得る経済団体を目指していく。
 今年度は、「次世代に向けた えひめの創造~未来へ繋げる愛媛の挑戦 人が集い、育つ場所~」を活動テーマとして、昨年10月に開催した「第121回西日本経済同友会会員合同懇談会」の成果を踏まえながら、今まで取り組んできた諸活動をさらに活発化するとともに、次の重点項目に留意して各種事業に取り組む。

■活動方針 1.愛媛経済同友会創立60周年事業への取組み
■活動方針 2.各地の経済同友会との連携・交流の推進
■活動方針 3.活動の活性化と提言等の活動成果の積極的な発信
■活動方針 4.「チームえひめ」「オールえひめ」の取組みの推進

組織と具体的活動

(1)会務執行委員会

総務企画委員会

 同友会活動の円滑な運営と組織の活性化会員相互の交流と資質の向上、各委員会活動の企画調整等を目的にして、会務・財務・広報及び事務局を含めた総務全般を担当していく。

【事業計画】
会員交流委員会
 統一テーマ「次世代に向けた えひめの創造 ~未来へ繋げる愛媛の挑戦 人が集い、育つ場所~」のもと
【事業計画】

(2)調査研究委員会

人口減少対策委員会

 令和7年3月1日現在、愛媛県の総人口は1,268,566人まで減少し、令和6年の1年間で15,938人が減少しました。これは令和5年の減少数14,888人と比べて、さらに1,050人増加したことになります。令和5年3月には戦後初めて130万人を下回って以降、その勢いは留まる兆しがありません。このまま新たな対策を打たなければ、2060年に本県の人口は78.4万人まで減少すると予想されています。このような深刻な状況を踏まえて、当委員会では以下のテーマの基づき調査研究を進めていきます。
 愛媛県の人口減少の主な要因は、進学・就職時の県外転出、婚姻数の減少、そして出生数の減少にあります。このことにより生産年齢人口が減少し、県内企業における人手不足は今後さらに深刻化することが予想されます。
 また、愛媛県内においては市町村ごとに人口減少の度合いや背景が異なるため、県全体を一括りにして人口減少の背景や原因を調査・分析するだけでは、地域ごとの課題を十分に把握することが困難です。よって、本年度は東予・中予・南予の3地区に分けて検討を行い、地域特性に応じた実効性のある対策を探っていきます。
 さらに、人口減少に関する問題については、他の委員会と積極的に情報交換を行い、各委員会のテーマや取り組み等を共有・連携することで、横断的な課題解決を目指します。
 加えて、他県の経済同友会との連携も視野にいれて、自治体間での連携推進や先進的な人口減少対策の調査・研究を進め、地域の持続可能性の向上に寄与してまいります。

【事業計画】
経営戦略委員会

 企業経営に関するさまざまな問題について引き続き調査、研究、発信してまいります。収益性の向上、人材の採用・育成、新製品・新サービス・新事業の開発、デジタル技術の活用、社員満足の向上など私たちには多くの課題が存在しています。近年ますます激しさを増している物価高騰、人手不足、働き方の変化などの変動要因を踏まえて、会員のみなさまにとって有意義な委員会運営に努めてまいります。

【事業計画】
環境エネルギー委員会

 地球温暖化が進む中、世界ではロシアによるウクライナ侵攻や中東諸国での武力紛争が今もなお治まらず様々な悪影響を及ぼしています。アメリカでは二度目のトランプ政権となりパリ協定からの再離脱により化石燃料産業の強化、環境・エネルギー問題への取り組み鈍化、地球温暖化対策の後退につながっています。そのような世界情勢の中、我が国は近隣諸国と協力し合い、2050年カーボンニュートラル実現に向け取り組み地球レベルで温暖化対策を進めて行かなければなりません。
 その様な国際情勢において、環境エネルギー委員会では昨年度に続きカーボンニュートラル実現に向け、環境・エネルギー問題解決に向け取り組んでおられる四国内外の企業や自治体と情報交換、意見交換の場を設け、将来子供たちが住み続けられる愛媛、日本そして地球の実現を目指して参ります。ポイントは以下のキーワードと捉え今年度の事業計画を実施して参ります。

【事業計画】
第一次産業活性化委員会

 愛媛県内の人口減少が想定されています。その減少率は、南予地方を中心とした、農林水産業を基幹産業とするエリアほど激しいと予想されています。今後、少子高齢化が進むにつれ一次産業の担い手が減り、そのエリアの人口減少が進むという、マイナスの循環が危惧されます。当委員会では、第一次産業活性化のヒントを発見し、それらの悪循環を、少しでも食い止め、緩和することを活動方針とします。
 まずは、農林水産物の生産だけでなく、加工(2次産業)、流通・販売(3次産業)へ取り組み、高付加価値商品を生み出す6次産業化への取り組みを研究します。さらに、次世代の担い手確保の観点から、「かっこいい一次産業」を推進し、若い人が取り組みやすい産業へ変えていくことに取り組みます。

【事業計画】
文化芸術委員会

 令和10年度に愛媛県で開催される「国民文化祭」に向け、地域文化の振興、観光・経済・教育への波及効果を最大限に高めるための提言・啓発活動に取り組む。
 特に準備段階として重要な本年度は、先進事例の学習と県内文化の現状整理、関係団体との連携体制構築に力を入れる。

【事業計画】
スポーツ振興委員会

 プロスポーツを応援する委員会としてスポーツを「エンターテインメントスポーツ」として現実的な集客・収益事業として確立できるよう研究するとともに、地域の企業や団体とのパートナーシップを構築しエンターテインメントスポーツが将来、地域に根差した文化となるよう協力関係を築きます。また、地元企業や観光業者、地域自治体などと連携し、スポーツを通じた愛媛県の経済発展に貢献する運動を行います。

【事業計画】
産学官連携委員会

 今年度においては愛媛県で「人口減少対策統括部長」が設置されるなど、少子高齢化を根幹とする地域経済活性化への課題引き続き多岐に亘っている。当該課題はいずれの業界においても共通の課題であり、産学官連携委員会においては、引き続き地元大学等および各市町との連携を強化し、次世代が活躍できる地方都市構築に対して積極的な活動及び提言を行っていきたい。

【事業計画】

 昨年度に引き続いて『愛媛県主導による各大学等への情報科学分野学部設置』に着目し、当該学校機関と広く連携を強化して、各地域の課題解決を図っていく。

地域防災対策委員会

 30年以内に8割の確率で、発生が予想される南海トラフ巨大地震や毎年発生する豪雨等の自然災害に対して、企業はいかに対処すべきか、何が必要なのか、どのようにすれば被害を最小限に抑えることができるのかを当委員会として協議し考える場を提供していきたい。
 昨今のコロナウイルス感染症や頻発する豪雨災害・震災等により、企業・個人の別や規模の大小を問わず等しく訪れた危機管理意識の向上を契機として、地域防災対策活動へも繋げていきたい。
 防災対策は自助・共助・公助を基本とするが、当委員会では自助・共助に焦点を当て啓蒙の輪を広げて行き、有事の際、一人でも多くの命を救える存在となることを目指す。

【事業計画】
観光振興委員会

 日本経済は緩やかな景気回復が続いているとはいえ、エネルギー価格の高騰や物価高により、個人消費や企業経営は依然として低迷している。また、人口減少により、日本人の観光消費も減少し続けている。
 その中で、愛媛県において観光産業が成長産業としてみなされていることも踏まえ、県外観光客のみならずインバウンドに選ばれる観光産業であるためにはどうあるべきかを愛媛経済同友会として検証し、提言していかなければならない。

【事業計画】
インフラ整備委員会
【事業計画】
海外市場・人材委員会

 1995年に8,700万人いた日本の労働人口は、2023年には7,000万人に減少した。一方で2023年に200万人を超えた外国人労働者が、2024年10月末には230万人を超え、過去最高値を更新した。日本の外国人労働市場は大きな転換期を迎え、技能実習制度の廃止と育成就労から特定技能2号に繋がる、持続可能な働き方に大きく舵を切った。
 しかし、労働人口の減少は、アジアにおいて日本だけの問題ではなく、外国人労働者の獲得競争は国家間で激化している。日本が外国人労働者として受け入れている主要な国においても、今や韓国、台湾が日本を抜いて就労人気国になっており、この国際競争が、日本、そして特に地方経済においての深刻なリスクになりかねない。優秀な外国人労働者に長く就労してもらうためには、他国にないキャリアアップの道筋を明確にし、外国人労働者が地域と一体になって共生する社会環境の構築を喫緊の課題として取り組まなければならない。
 私たちは、「えひめプライド」をもって、『海外市場』『人材』をフォーカスし「外国人に選ばれ、共存するえひめ」をテーマに、激変する外国人雇用環境と日本を取り巻く海外情勢に関して、調査・研究し、「次世代に向けた えひめの創造」を実現する。

【事業計画】

(3)愛媛経済同友会創立60周年事業実行委員会

 創立60周年事業として、記念式典や記念事業、記念誌の発行等の企画・運営について検討、協議を行う。

(4)会員交流活動

○地域部会
 四国中央、新居浜・西条、今治、八幡浜・大洲、宇和島の各地域部会において当該地域経済の活性化と会員相互の親睦を図るとともに、各委員会及び参加希望会員との交流会を開催する。
○納涼会、忘年会
 全会員を対象に、8月に納涼会を、12月に忘年会を開催する。
○ゴルフコンペ
 ゴルフ会の会員を対象に、年4回のゴルフコンペを開催する。一般会員の参加も妨げない。
○各地域同友会との交流
 今年度開催が予定されている次の各交流懇談会をはじめ、各地域同友会との交流を行っていく。